第三回まつもと一箱古本市 その2


先週から週末が充実しすぎていたのか連休最終日は風邪でダウン。

それでは、前回の続き。

 

とにかく空腹に勝てず、ついには隣の「ソラノトリ」さんのお言葉に甘えて店番をお願いすることにしました。

まずは食料の調達ですが、ピカデリー会場で作家の北尾トロ氏がピロシキ屋を開業されたそうでそちらを購入。鹿肉とネギの入ったピロシキをそれぞれ買う。ちょっと重いかな、と思ったりもしたが、空腹だったせいもありたちまち完食。

すると、ちょうど計ったようにカミさんと、娘が到着。

カミさんには昨夜超特急で看板とショップカードを作ってもらい、お客さんにもなかなかの好評。可愛いイラストのおかげで、わたしの厳つい威圧感も多少なりとも軽減したのではなかろうか。カミさんありがとう。

カミさんと娘がきてくれたおかげと、ピロシキで体力が多少回復したわたしは、他の出展者の品ぞろえなど見る元気が出てきた。

初出店で知人もいないところでは、こうやって家族がサポートしてくれるとほんとうに助かります。別になにをしてくれるわけではないけれど(看板とか作ってくれましたが)背後にいてくれるだけで、心強く思えるから不思議だ。

特に女性のお客さんとの応対で言葉に困ってしまった時には、カミさんか娘にムチャぶりすればなんとかなる。これは家族プレーの良いところ。

他の出展者さんから購入した本の紹介はまた後日として、時計を進めてゆきたい。

つづいて、喫茶山雅ブースではビブリオバトルなるものが始まろうとしていた。

ビブリオバトル?

なんだそれ?

聞くと、本を紹介してバトルのだそうだ。バトルといっても一対一で戦うわけではなく、最後の多数決で優劣をきめるのだそうだ。なんとも平和な世の中である。わたしだったら、言葉よりも手が出る。

司会をするという若者は学生時代、このビブリオサークルに入っていたのだそうだ。ほんのちょっとだけそれを聞いて引いてしまいました。すみません。

じっさいビブリオバトルが始まって、観戦してみると、おもったよりもやっている方は大変そうだ。もちじかんが五分なのだが、五分間話で持たせるのはなかなか大変なことである。落語家だってオリジナルの噺で五分となると至難の技だ。それもこれほどの人前でやらなくてはならないとは……。わたしだったら脇汗だけで大変なことになる。

それでもみなさん、多少はしどろもどろになりながらもきちんと最後まで話通したのはすごいことだ。とくに、第一回、第二回とチャンピオンになった洋酒店醇さんは、ほんとうに話術が巧みで流暢なのに驚きました。うらやましいかぎりです。わたしなどたぶん、どもってどうしようもないでしょう。

思いもよらず感心し聞き入ってしまったのですが、優勝は「パンダの死体はよみがえる」でした。わたしもつい読みたくなってしまった一冊。

 

ここちよい疲労感。そして少しの挫折感

 

さて、初参加したまつもと一箱古本市も佳境に入ってゆく。

お客さんもビブリオバトル前から居続けた人がほとんどになり、なんとなく奇妙な一体感ができてくるから不思議だ。

ただ、このあたりから、だんだんと周りとの実力の差が出てくる。

ひとつは古本の売れ行き。そしてもう一つは本に対する知識量の差。不思議なことだが、時間とともにしだいしだいに地金が出てくるものなのか、ほんとうの実力がだんだんと出てくるものなのである。最初のうちは勢いと熱意でなんとかなっている気がしているだけかもしれないが。

それでも、こうやって、自分の自力で他人と商売するなんてことはいままでなかったことでこれはこれで良い経験である。ちょっとずつだが、遅まきの夢を少しずつでもアウトプットして外に吐き出す。吐き出した夢の断片をかき集めて形にしてゆくものなのかもしれない。

ふと、若冲の「象と鯨図屏風」の白象が頭に浮かぶ。けれど、わたしの勘違いでここには名前の通り象が描かれている。わたしがふと、あたまに浮かべたのは象ではなく、「貘」であった。バクとは夢を食べるという幻獣。もし、この反対に夢を吐き出す幻獣がいるとすればバクの反対で「クバ」だろうか。バクとはどんな姿の幻獣だっただろうか? 白象しか思い出せない。若冲も実際象を見て描いたのかしらない。ならば、夢を吐き出す「クバ」もどんなものか分からなくともいたしかたないだろう。白象でもとりあえずはよかろう。

わたしもクバも、少しずつ夢を吐き出して(年をとると臆病になってなかなか吐き出せなくなるもの)、そいつを現実で切磋琢磨させる。今日のように。その夢をかき集めて積み上げてゆくことが夢を叶えるってことなんだろうな、などと、疲労のせいか感傷的になりつつ、そんなことを思う。

それでも、なんとかこうとか、周りの出展者さんや運営関係者さんたち、そして家族に後押ししてもらい、なんとか一日がおわった。最後は雲行きが怪しかったがなんとか乗り切れた。

結局本日の売り上げは、全12点、まずまずではないでしょうか。

スタートとしてはまずまずで、これを契機に今後も出店してゆきたいと思います。まだまだ勉強することは多そうだが、これからおもしろくなりそうです。

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