美篶堂まつりと職人の手


長野県伊那市にある製本屋
美篶堂、みすずどうとよむ。
最初わたしはなんてよむのか分からなかった。

その美篶堂で「美篶堂まつり」が開かれたので行ってみた。

とにもかくにも暑い日だった。

会場は盛況でその熱気でさらに暑い。

美篶堂といえば東京に出店していたり、本も出したりしているので知っている方も多いかもしれない。

地元ということもあり、一度拝見してみたいと思っていたのですがようやく実現。

 

工場長の実演コーナーを見学することができた。

丸背上製本の実演

しゃっしゃとした手つきで表紙のクロスをボール紙に貼り付ける。

名前は忘れたけれど、背の耳を出す機械。これは初めて見た。

 

先にも書いたが、美篶堂は東京にショールームみたいな店を出し、横浜で製本の学校なんかも開いたりして、さらには本も出し、しかも帯には谷川俊太郎。

お洒落なイメージばかりが先行して、

正直なところ、「そういうのってどうなのかな……」

なんて偉そうにも思っていたところがありました。

でも、実演されていた工場長の手の指を見て、

自分の考えの浅はかさに痛み入りました。

工場長の手は紛れもなく職人の手でした。

親指とかわたしよりふた回りはでかい。

製本は正直地味な仕事です。特別な誂えの仕事も来るだろうけど、たいていは一日何冊作れるか、量産シフトの中に埋もれてしまいます。

でも、そういった正直単調な毎日の繰り返しをへて、繰り返しに耐えて、きちんとした技術が身につくのだと思います。

職人というと格好いいけど、毎日はそう格好いいものではありません。でも、それでもそのがさがさした手が「確かなものをつくる」証なのだと思います。

美篶堂さんという華やかなブランドの下に、地味だけどきちんとした仕事をする職人がいることがわかり、

感動といいますか、感動とともに安心感を覚えた一日でした。

 

受付でいただいた栞。

まっすぐな言葉。ど直球です。

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